「ふざけんじゃないわよ!!」

「髪も白くてまるで白髪じゃない!目だって青くて日本人離れしてて気持ち悪い!!あんたなんか琉生に近づく資格なんて…」



やっぱり気に入らないんだ。私の髪の毛と、この目。
この見た目のせいで。この見た目さえなければ。

悔しさと悲しさがどんどん押し寄せて、行き場のない涙がぽたぽたと旧校舎の古い床に染み込んでいった。



「あんたなんかっ!!」



その間にも先輩たちはどんどんヒートアップしていって、とうとう手を上にあげられてしまった。

叩かれるんだ、今から。



…あれ、痛くない。
そろそろ叩かれてる頃なのに。




「さっきこの子も言ってたけどさあ、俺、いつから君たちのものになったの?」

「る、琉生…!?」




目も口も笑ってない。声だけでもすごく怒ってることが伝わるくらい、今の先輩は怖かった。




「なんか、勝手にファンクラブとか作ってるみたいだけど、俺は認めてないし君たちみたいに弱いものいじめする子、ファンだと思いたくない」

「なっ…」

「金輪際、俺とこの子に関わるのやめろ。鬱陶しいんだよ」



その後のことはよく分からない。真緒ちゃんがすぐ来てくれて、私をぎゅっと抱き締めてくれていて。

先輩は、軽く私の頭を撫でていなくなってしまった。