教室に戻ればみんな静まり返って、私の顔を見てはギョッとしたような顔をする。

きっと、涙で顔がぐちゃぐちゃなうえに、走ったせいで髪の毛もボサボサになっていたからだろう。


そんな中、莉那ちゃんだけは私に寄り添ってくれた。



「保健室、行こっか。少し落ち着こう」



ここにきて約10分。ようやく涙が落ち着いてきて、冷静に話せるようになってきた。

事の経緯を説明すると、そっかぁ、つらいね。って。そっと私の頭を撫でてくれた。



「謝ってくれたのに、すごく失礼な態度取っちゃった。許せないとは言っても先輩だし…」

「莉那は優しすぎるんだよ、前にも言ったけど。トラウマになるくらい、感情が爆発しちゃうくらい、莉那は現実と向き合ってきたんでしょ?」

「だけど、あんなに私を助けてくれて、庇ってくれたのに、私…」



頭が冷静になった今、考えてしまうのは先輩を傷つけてしまったんじゃないか、怒らせたんじゃないかって。

さっきまでは何も出来なかったのに、ゆっくりと思考が私にも悪い所があったんだと教えてくる。