その後片手にお守りを持って学校を出た。


 校門を出た瞬間、向こうの通りに見慣れない人影を見つけた。


 ……着崩した学ランの下に着込んだパーカーのフードを目深に被り、電柱に背中を預けてている。


 昨日の彼よりちょっぴり背が低い青年だった。それでも軽く175以上はあるように見えた。



「……ねえ、戸隠(とがくれ)高の制服じゃない?」


「えー、なんなんだろーねー」



 近くの生徒が学ランの彼を見て喋っているのが聞こえた。


 戸隠高と言えば治安の悪さで名高いヤンキー校だ。


 ……そんな学校の人がうちになんの用なんだろ? 殴り込み?


 そんなふうに考えながら歩き出そうとした瞬間、ちらりとこっちを見た学ランの彼と目が合った。……気がした。


 わたしはすぐに顔を背けると、怖くなって足早に歩き出した。


 すると彼もそのままわたしの方へとやってきた。


 な、なになに!? 用があるのってわたし!?


 怖すぎる。わたしは早歩きをやめてまたまた昨日みたいに走り出した。