「先生……ありがとう」
咲音の涙をそっと拭うと、咲音は「先生……先生がいてくれて良かった。 私、先生と出会えて本当に幸せだ」と涙ぐみながら微笑んだ。
「……俺だって、幸せさ」
こんな素敵な人と出会えて結婚するに至るには、確かに色々あったけど。それでも俺は、この選択を間違ってないと思えた。
咲音が俺の前に再び現れた時は、本当にビックリしたし、驚きを隠せなかった。
ましてや、プロポーズされるなんて……想像すらしていなかったが。
それでも俺は、この選択をした人生が明るくて楽しいものになると実感している。
咲音とこれからどんな夫婦になっていくのか、まだ分からないけど、とにかく笑顔の耐えない明るい家庭にしたい。
「さあ……咲音、帰ろうか」
「うん」
お互いに歩き出すと、どちらからともなく手を繋ぐ。
俺はこれからも、咲音のそばにいる。咲音が辛い時、そばにいる。何も言わずとも、ただ黙ってそばにいることを決めた。
「先生、今日の晩ごはん、カレーにしよう」
「カレーか。 いいな、カレーにしよう」
「うん。一緒に作ろう」
「じゃあ、買い物して帰ろうか」
どんなに苦しくて辛いことがあった日でも、咲音はこうして笑っている。
きっとそれが、咲音なりの人生の楽しみ方なのかもしれない。
咲音、俺と一緒に幸せになろう。この先もずっとーーー。
【THE END】



