結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】

 マーガレット王女は私の腕を掴むなり、通路にある太い柱の陰に私を引いていく。
 王女でありながら気さくで話しやすいマーガレット王女は、キョロキョロと周りを見渡してから話を始めた。

 
「トユンから聞いたのだけど、妃候補の選定を担当しているのはあなたって本当なの?」
 
「はい。私が選定しています」
 
「本当……なのね」

 
 なぜかマーガレット王女の顔色が悪くなっている。
 何か都合の悪いことが起きたかのように、その表情からは困惑の色が透けて見えた。

 
「どうかしましたか?」
 
「いえ……なんでもないわ。それで、それを聞いてセアラはどう思っているのかしら?」
 
「どう、とは?」
 
「ジョシュアの妃候補についてよ。ジョシュアが結婚するかもしれないと聞いて、あなたはどう思ったの?」