「殿下。候補の方は決めてくださいましたか?」
「まだだ。セアラが好きだから選ばないことにしたよ」
 

「……殿下。この美人のご令嬢はいかがですか?」
「却下だ。どう見てもセアラのが美人だろ」
 

「殿下! 私の出会いを邪魔していた件についてはもう気にしていませんので、悪ふざけはやめて早く候補の方を選んでください!」
「だから悪ふざけじゃなくて本気だって言ってるだろ?」

 

 …………ダメだわ。


 
 あれから2日経つというのに、ジョシュア殿下はまだ『私のことが好き』という冗談を言い続けている。
 何を言ってもこんな返しばかりだ。