今までに、男性から食事などに誘われたことは何度かあった。
 けれど、それはすべて実行されることはなく、みんな口先だけの約束なのだと思っていた。


 
 まさか、殿下が邪魔していたからだなんて!
 私への嫌がらせが趣味とはいえ、これはいくらなんでもひどいわ!


 
「殿下。どうしてそのようなことを? 私に対する嫌がらせだとしても、あまりにもひどすぎます」
 
「嫌がらせじゃないけど」
 
「では、なぜですか?」
 
「セアラが好きだから」

「…………え?」


 目を丸くした私を見て、ジョシュア殿下がニヤッと笑った気がした。