もう! どんな女性を出してもすぐに却下されてしまうわ!
これ、絶対にただの嫌がらせよね!?
この腹黒悪魔!!
私が困っているのを見て、ただ楽しんでいるだけのジョシュア殿下。
それでも候補を挙げなければいけない日はどんどん近づいてきている。
まだ余裕があるとはいえ、陛下からの仕事はできるだけ早く終わらせたいところだ。
それなのに、ジョシュア殿下は候補者たちの名前を一度確認した後は見向きもしなくなってしまった。
このまま却下され続けたら、有力候補のご令嬢が全員候補から消えてしまうわ!
私をただいじめたいという理由で、みんな却下してしまうなんて……殿下はいったい何を考えているのかしら。
先ほどつき返された用紙を、私はこっそりとファイルに戻した。
嫌がらせに飽きたら、またこの方々を候補として出せるように。
さすがの殿下だって、陛下に逆らうことはできないはずよ。絶対に予定日までには候補者を決めていただきますからね!
ジロッと強気な目を殿下に向けると、なぜか嬉しそうにニヤリと笑われてしまった。