結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】

 やけに期待にこもった目で私を見つめてくるジョシュア殿下。
 今だけは、彼が悪魔ではなく爽やかで美しい王子に見える。


 
 なんだ、それなら話が早いわ。
 本人に教えてもらうのが1番ね。


 
「殿下がどんな女性との結婚を望まれていらっしゃるのか知りたかったのです。教えていただけますか?」
 
「どんな女性との結婚を望んでいるのか知りたい……? セアラが?」

 
 私の言っていることが信じられないとでもいうように、ジョシュア殿下は私の言葉を繰り返している。


 
 ……こんなに動揺しているのはめずらしいわね。
 どんなときでも殿下はいつも余裕そうな顔をしているのに。

 ご自分の結婚の話など興味ないかと思っていたけど、実はすごく興味があったのかしら?
 なんだか少し可愛く見えてしまうわね。