結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】

「ジョシュア殿下? いったいどう──」
 
「今、なんて言った?」
 
「はい? えーーと、『ジョシュア殿下、どうされたのですか?』と」
 
「違う。その前!」


 
 その前? 私、何を言っていたかしら?
 …………あっ!


 
「もしかして、『殿下はどんな女性が好きかしら』……ですか?」
 
「それだ。なんでそんなことを?」
 
「それは……」


 
 なんだか殿下、少し嬉しそう?


 
 問いただされているような迫力はあるものの、威圧感などは全く感じない。
 それどころか、いつもよりも少しだけ声が浮かれているような気がする。


 
 もしかして、妃候補選定のことをご存知なのかしら?
 好みを聞いてほしいと思ってたとか?