昼食後。
はぁ……と小さなため息をつきながら、私は目の前の書類を1枚ずつめくっていく。
用意されていた候補者リストは、思っていたよりも分厚く情報量が多い。
さすがジョシュア殿下の妃候補の方々ね。
みなさま家柄も申し分ないわ。
見た目も綺麗な方が多い印象だし、もうどの方でもいいのではないかしら?
女性目線で選んでと言われても、どんな人がいいのかさっぱりわからない。
若くして秘書官になった私は、他の令嬢のように夜会やお茶会に参加したことがないのだ。
女ばかりの学園に通ってはいたけれど、秘書官の勉強をするのに必死で友達を作る暇もなかった。
写真を見ただけでは、どんな女性なのかさっぱりわからない。