「まぁ。セアラ秘書官。わたくしたちが配りますから」
「これくらい大丈夫よ。それより、殿下が資料の確認にいらっしゃるかもしれないからお茶の用意をお願い」
「かしこまりました」
ペコッと軽くお辞儀をしたメイドに微笑み返し、最後の資料を机に置く。
よし。殿下のお茶も頼んだし、資料も配り終わった。
準備完了ね。
1つ足りない資料は今朝提出すると言われているから、あとはそれを受け取れば……。
考え事をしながら振り返ると、目の前にいた人物に思いっきりドン! とぶつかってしまった。
いたっ!
鼻にジンジンとした痺れのような痛みが走ったけれど、それをこらえて謝罪の言葉を絞り出す。
「すみません。前をちゃんと見ていなく……て……」
そこまで言ったとき、ぶつかった相手が誰だかわかった。
淡い銀色のサラサラした髪、王家特有の黄金の瞳──この国の第1王子ジョシュア殿下が、目を丸くして私を見下ろしている。
「これくらい大丈夫よ。それより、殿下が資料の確認にいらっしゃるかもしれないからお茶の用意をお願い」
「かしこまりました」
ペコッと軽くお辞儀をしたメイドに微笑み返し、最後の資料を机に置く。
よし。殿下のお茶も頼んだし、資料も配り終わった。
準備完了ね。
1つ足りない資料は今朝提出すると言われているから、あとはそれを受け取れば……。
考え事をしながら振り返ると、目の前にいた人物に思いっきりドン! とぶつかってしまった。
いたっ!
鼻にジンジンとした痺れのような痛みが走ったけれど、それをこらえて謝罪の言葉を絞り出す。
「すみません。前をちゃんと見ていなく……て……」
そこまで言ったとき、ぶつかった相手が誰だかわかった。
淡い銀色のサラサラした髪、王家特有の黄金の瞳──この国の第1王子ジョシュア殿下が、目を丸くして私を見下ろしている。