「たしかに私には親しい男性もおりませんし、男性のことをあまり理解していないのかもしれません」
 
「かもしれない、じゃなくて理解してない、だろ」


 
 ……もう! 本当に嫌味ったらしいんだから。


 
 ムッとした気持ちを抑えつつ、話を続ける。

 
「そうですね。理解しておりません。なので、これからは積極的に男性と親しくなって、きちんと学んでいきたいと思い──」

 
 バン!
 
 突然、大きな音が部屋中に響いた。
 ジョシュア殿下が自分の机を強く叩いたのだ。
 
 薬の瓶を持っていた手だったため、ガラスの瓶にヒビが入ってしまっている。