結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】


 教会の外にいた人々に手を振り、私と殿下は教会の敷地内へ入った。
 元々古い教会があった場所は今は綺麗な庭になっていて、今日のために作ったお花のアーチが私たちを出迎えてくれる。


「わぁっ……! 素敵ですね」

「こんな場所に2人だけなんて、なんだかもったいない気がするね」

「そうですね。でも、やっぱりこの場所には殿下と2人だけで来たかったので」

「……そうだね」
 

 寂しいようで嬉しい、2人だけの結婚式。
 どうしても実行したくて、少しだけ時間をもらったのだ。


「じゃあ、行こうか」

「はい」


 2人でお花のアーチをくぐり、その先に用意してある白い長椅子に座る。
 幼い頃、2人がよく座っていた長椅子があった場所だ。

 昔はただ並んでお菓子を食べながらおしゃべりをしていただけの私たち。
 でも今は、夫婦として手をつなぎながらこの場所に座っている。


「まさか、あのとき会った女の子と結婚することになるとはね」

「名前も、私は顔すら知らない相手だったのに……不思議ですね」

「セアラ」

「は、い……んっ」


 振り向くなり、殿下にチュッと軽いキスをされる。
 幼い頃を思い出していただけに、その不意打ちにドキッと心臓が大きく飛び跳ねた。