……あれから1年も経ったのね。
結婚式の準備とフィルへの仕事の引き継ぎで忙しくて、あっという間だったわ。
「セアラ。着いたよ」
「あっ、はい」
ジョシュア殿下に声をかけられてハッとする。
人々の笑顔に癒されている間に、目的地に到着していたらしい。
「……久々だね」
「そうですね」
殿下にエスコートされて馬車を降りる。
目の前にあるのは、私たちが出会った教会だ。……もっとも、古い教会はもう壊されてしまったので、正確に出会った場所ではないけれど。
それでも、この場所で出会ったことには変わりない。
「もっと大きな場所も用意できたのに……本当にここでよかったの?」
「はい。毎週ここに来るのが楽しみだったんです。最後は少し切ないまま終わってしまったので、改めて幸せな場所にしたくて」
「約束を守れなかったからな。……じゃあ、今から一緒に甘くない菓子を食べるとしよう」
「またそんな思いつきで……。用意してませんよ」
ははっと笑うジョシュア殿下の笑顔を見て、教会の周りにいるたくさんの女性たちが顔を真っ赤にして小さな悲鳴をあげていた。
作りものではないジョシュア殿下の笑顔は、普段の何倍も破壊力がすごいのだ。
これでさらに爽やか王子だと言われてしまいそうね。



