「…………好きです」


 ギュッと目を瞑り、掠れるような声でなんとか絞り出す。
 静かな部屋なのできっと殿下にも聞こえたと思うけど、怖くて殿下の顔を見ることができない。



 どうしよう……!
 人に好意を伝えるのって、こんなにも怖いものだったのね……!
 反応を見るのが怖い。今すぐにでも逃げ出したいわ。



 ジョシュア殿下は今まで何度こんな気持ちになったんだろう。
 そんなことを考えていると、いきなり殿下に手を握られた。大きくて温かい手に包まれて、手の震えがピタリと止まる。


「……殿下」

「今の……本当か?」

「…………」

「本当に? 冗談じゃなく?」


 どこか懇願するように、真剣に私を見つめるジョシュア殿下。
 心なしか、殿下の声も少し震えているように聞こえた。