「10年以上の片思いって……どういうことでしょうか?」


 私の質問に、マーガレット王女は目を泳がせて困っている。さっきまで歓喜の舞を踊っていた人物とはまるで別人だ。
 オロオロしていた王女は、覚悟を決めたのかグッと唇を噛んで話し始めた。


「その……昔会ってたでしょ? あなたたち」



 ん? 昔会ってた? 私と殿下が?



 思い当たることはないけれど、聞き返すことはせずに王女の話の続きを聞くことにした。


「セアラはなんとも思ってなかったかもしれないけど、ジョシュアはその頃からずっとセアラが好きだったのよ」

「……?」



 その頃からずっと?
 その頃って……いつのこと?
 私がジョシュア殿下とちゃんと会ったのは、女学園を卒業してからなのに。