「殿下!? どっ、どうされたのですか!?」

「何がだ?」

「何がって、クマがひどいですよっ! 顔色も白いですし、体調が悪いんですか!?」

「いや。ただの寝不足だ」



 寝不足!?



 私はジョシュア殿下のチェックしている書類をチラッと見た。
 何時から仕事をしていたのか、だいぶ先の仕事にまで手を出している。



 これなら今日はやらなくても大丈夫だわ!



「殿下。本日は会議もありませんし、お休みしましょう」

「平気だ」

「でも……そのままでいたら、倒れてしまいますよ」


 ジョシュア殿下の手に触れてその動きを止めようとすると、殿下がピクッと反応してペンを落とした。
 ここぞとばかりに拾い上げてペンを後ろ手に隠す。