セアラが勝手に書類を抜いてしまったのは予想外だったが、父もセアラを妻にと望んでくれているのはわかったし……あとは今の状況からどうやってセアラを候補者に戻そうか。
好きだと伝えても信じてもらえないし、できることならセアラの同意を得てから候補にしたい。
どうすればいいのか……そんなことを考えているときに現れたのが、フレッド殿下だった。
セアラの姉の義弟にあたる人物。
なぜか今頃になってバークリー家に挨拶に来たらしい。
しかも、その理由を本人が「セアラに一目惚れしたから」なんて言っていた。
あの無愛想王子……!
本気でセアラを狙ってきたのか!?
常に無表情のフレッド殿下は、何を考えているのかまったくわからない。
だが、そんなウソをつくような人ではないことくらい知っている。
……だからこそ、こんなにも心が乱されているのだ。
「もし、フレッド殿下がセアラに求婚したら……」
セアラは結婚相手を探すために秘書官を辞めたいと言っていた。
まさに望んでいた展開であり、断る理由なんてないだろう。
どうしたらいいんだ……!?



