「アイリス嬢を推薦しておいてくれ」

「かしこまりました」



 これで、ルイア王国からバークリー公爵家へ連絡がいくだろう。
 こんなにいい縁談を断るとは思えない。
 第2王子だって、アイリス嬢は理想的な相手のはずだ。
 
 もしアイリス嬢が拒否したり、婚約者として選ばれなかったなら別の案を考えよう。



 それから数週間後、バークリー家からアイリス嬢が求婚されたとの報告がきた。
 こちらのことは気にせず、アイリス嬢の幸せを第一に考えてくださいと返事をしたところ、大変喜ばれた。

 そして、「代わりに妹のセアラを秘書官に」という言葉をもらえた。



 セアラが。あの子が俺の秘書官になる。
 また一緒にいられる。話ができる。……毎日会うことができるんだ。