「はぁ……」
フレッド殿下と王宮で会った日から3日。
私はいつも通り秘書官としての仕事で忙しくしている。
変わったことといえば、やっぱりあれからジョシュア殿下の嫌がらせが減ったことだろうか。
なんだか最近様子が変っていうか、どこか元気ないのよね。
無言で書類にサインをしているジョシュア殿下をチラリと横目で見たとき、トユン事務官に声をかけられた。
「セアラ秘書官」
「あっ、はい。なんですか?」
「アレは決まりましたか?」
「アレ?」
ハッキリと内容を口にしたくないのか、トユン事務官はジョシュア殿下をチラチラと見ながら私に合図を送ってくる。
ハッ!
わかったわ。
ジョシュア殿下の妃候補の件ね!