「わかった。安心しろ」
「……ありがとうございます」
ジョシュア殿下に聞こえないように、フレッド王子が私の耳元で囁いてくれる。
ホッと安心したのも束の間、今度は後ろからなんともいえない恐ろしいオーラを感じた。
ハッ! な、何?
なんだか振り向いてはいけない気がするわ!
長年ジョシュア殿下といるからこそわかる、空気の悪さ。
それが背後からヒシヒシと流れてくる。
「セアラ秘書官」
「は、はい」
振り向くことなく返事をすると、急にグイッと腕を引かれた。
その反動でフレッド王子の手が離される。
わっ……! 倒れるっ!
足のバランスがとれず、後ろに倒れそうになったところをジョシュア殿下が支えてくれた。
なぜか、やけに笑顔の殿下が上から顔を覗き込んでくる。



