結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】


「わかった。安心しろ」

「……ありがとうございます」


 ジョシュア殿下に聞こえないように、フレッド王子が私の耳元で囁いてくれる。
 ホッと安心したのも束の間、今度は後ろからなんともいえない恐ろしいオーラを感じた。



 ハッ! な、何?
 なんだか振り向いてはいけない気がするわ!



 長年ジョシュア殿下といるからこそわかる、空気の悪さ。
 それが背後からヒシヒシと流れてくる。


「セアラ秘書官」

「は、はい」


 振り向くことなく返事をすると、急にグイッと腕を引かれた。
 その反動でフレッド王子の手が離される。



 わっ……! 倒れるっ!



 足のバランスがとれず、後ろに倒れそうになったところをジョシュア殿下が支えてくれた。
 なぜか、やけに笑顔の殿下が上から顔を覗き込んでくる。