「ジョシュア殿下!」


 突然現れたジョシュア殿下に気を取られていると、フレッド王子にサッと写真を奪われてしまった。


「あっ」

「これは俺からアイリス様に返しておく」

「待ってくださ……!」

「なんの写真ですか?」

「!!」


 奪われた写真に手を伸ばすと、私の隣に立ったジョシュア殿下が優しい声でフレッド王子に尋ねた。
 思わず伸ばしていた手をヒュッと引っ込める。



 ジョシュア殿下、いつの間に!
 あの写真を見られるのはまずいわっ。絶対バカにされちゃう!


 
 フレッド王子は、チラッと私を見たあとに写真を裏返して手帳に挟んだ。
 ジョシュア殿下には見られたくないという、私の気持ちが通じたのかもしれない。