思わず足を止めると、こちらに気づいた2人が振り返った。
 なぜか私を見るなり2人の目がギョッと見開く。


「セアラ秘書官!? どうしてこちらへ!?」


 ディエゴ団長に声をかけられたため、足早に2人の近くまで移動した。


「すみません。こちらで何か行う予定だったのですか? ただ中庭に寄りかっただけなので、すぐに戻りますね」

「いえいえ! そういう意味ではなく! 熱はもう下がったのですか?」

「熱?」


 予想外すぎることを言われ、そのまま聞き返してしまった。
 ディエゴ団長とフレッド王子は首を傾げる私を見て目を見合わせている。


「私はずっと元気ですが」

「あれ? おかしいな。……まあ、いいか。とにかく会えてよかったな。フレッド」


 軽い調子でそう言いながら、ディエゴ団長はフレッド王子の肩にポンッと手を置いた。
 その気軽さや名前を呼び捨てにしているのを見る限り、どうやらこの2人はとても仲がいいようだ。

 ニコニコと笑っているディエゴ団長に対して、無表情のフレッド王子はコクッと素直に頷いている。


 
 ん?? どういうこと??