結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜【電子書籍化決定】


 夜会での告白を思い出しそうになったが、頭をフルフルと横に振ってそれを否定する。



 いや。
 いやいやいや。ないわ。絶対にないわ。



「それはありえませんよ。だって、私はいつもいじめられていたんですよ? あの殿下が私を好きだなんて、感じたことありますか?」


 こう質問をすれば、「たしかにないですね」という答えが返ってくると思っていた。

 ずっと私とジョシュア殿下を見てきたトユン事務官なら、そんな場面は見たことがないと誰よりも知っているはずだからだ。

 なのに──。


「ありますよ」

「ええっ!?」


 顔色を変えずにケロッと言ったトユン事務官を、私は疑わしい目で見つめた。