夜会での告白を思い出しそうになったが、頭をフルフルと横に振ってそれを否定する。
いや。
いやいやいや。ないわ。絶対にないわ。
「それはありえませんよ。だって、私はいつもいじめられていたんですよ? あの殿下が私を好きだなんて、感じたことありますか?」
こう質問をすれば、「たしかにないですね」という答えが返ってくると思っていた。
ずっと私とジョシュア殿下を見てきたトユン事務官なら、そんな場面は見たことがないと誰よりも知っているはずだからだ。
なのに──。
「ありますよ」
「ええっ!?」
顔色を変えずにケロッと言ったトユン事務官を、私は疑わしい目で見つめた。



