「やっぱり無理です。私は1人でも大丈夫ですから」

「セアラが他の男に声をかけられるのは見たくないんだけど」



 なんで!?



「で、でしたら、近くを……横に並んで歩いてくださるだけで大丈夫です」

「俺の腕に掴まっているほうが確実だろう?」

「ですが……」

「いいから早くしろ」

「は、はい」


 急にビシッと命令されて、拒否権がなくなってしまった。
 ここまで強く言われたなら言う通りにするしかない。



 うう……本当に殿下の腕に掴まっていいの……?