「……そうか。それは誰だ?」 先ほどより数段低くなった声で、ボソッと尋ねられる。 何? なんだか答えてはいけないような空気だわ! その相手を知ってどうするつもりなの? 「き……聞いてどうされるのですか?」 「この国から追放する」 「ええっ!?」 「……なんて冗談だよ」 「…………」 絶対に冗談じゃないですよね!? 不敵な笑みを浮かべたジョシュア殿下の言うことが冗談ではないことくらい、長年一緒にいる私にはわかる。 これは本気のときだ。