「あの、嫌……です」
「えっ?」
「そうでしょう。嫌そうに見えていましたよ。さあ、彼女もこう言っていることですし、早くその手を離してもらえますか?」
ジョシュア殿下が低く威圧のある声でそう囁くと、男性はビクッと体を震わせて去って行った。
ああ……行かないで……!
そんなことを思いながらその男性の後ろ姿を目で追っていると、突然手を引かれてバルコニーに出てしまった。
涼しい夜風が頬に当たっているけど、涼しいと感じるのは外の気温のせいだけではない。
「さあ、セアラ。なぜ君がここにいるのか、説明してもらおうか?」
「…………はい」
綺麗な夜空を背景に、ジョシュア殿下は不気味に微笑んでいる。



