「好きな女には男として見られたい、と思うのは普通だろ?」
 
「す……?」


 
 好きな女……って……あっ!


 
「悲しいよ。俺はセアラのことを女だと意識していたのに、セアラは俺をまったく男として見ていなかったなんてね」
 
「…………」

 
 ジョシュア殿下の不自然な答えに、今まで疑問と恐怖でいっぱいだった頭が一気に冷静になった。
 体の震えも止まり、怯えるようにして見ていた目も今では軽蔑するような目に変わったことだろう。


 
 ……わかったわ。
 これも、殿下の意地悪の1つだったのね。
 怯える私を見てからかって遊んでいるんだわ。この人はもう!