濁った僕を抱きしめて

「あ、拓海くんも食べます?栄養補給しなきゃですよ」
「俺はいいや。代わりにあれ出してくれない?」


同じ袋に入っていた栄養補助食品を出して拓海くんに渡した。
車が止まったタイミングで包装を開けて食べた。


「そう言えば、今何考えてたの?」


言ったとてきっと拓海くんは分かってくれない。
“殺して欲しい”だなんて身勝手すぎる。


「殺して欲しい、って言ったらどうしますか」


パンを食べながら不貞腐れたように言ってやった。
拓海くんは顎に手を当てて何かを考えるようなポーズをとる。


「何それ。そんなこと言うなよ」


やっぱりほら、上手くあしらわれた。


拓海くんのその言葉はどんな思いから来ているのだろうか。


単にわたしをこの手で殺したくないだけなのか、そんなことは面倒臭いと思っているのか。


どっちにしろわたしにとって嬉しくは無い。


わたしは拓海くんがいない未来なんていらなくて、死ぬなら拓海くんに殺されたいのに。