夏に溶けていく

私はそれから何日も探した。


気が狂うほど探した。


私のアパートの前にいたんだ。


歩いて探すことのできる範囲なんだと思う。


少ないお金で駅を跨いでも探し回った。


将来のことなんてどうでもいい。


紫央さえいれば。


紫央の笑顔が私に向けられれば。


なんて思ったけど現実は厳しい。


『天神』なんて名字の家、探しても探しても見つからない。


そうそういないから分かりやすいと思うんだけど。


もしかして紫央は名字、いや下の名前までも偽っていたのかもしれない。