———ヒヤッ

頬に、なにか触れる感覚がした。

「…雪?」

まだ12月が始まったばかりだというのに、雪が降っていた。

だいぶ、冷え込んでいる。

——きっと俺は、神様にも、嫌われてしまっ…

「…ちょっと聞いてんの?」

ひっ…この人、俺に話しかけてる?

声が聞こえて顔を上げると、そこには長い茶色がかっている髪の毛が高い位置でくくられた、女の子がいた。

人と、ちゃんと話すのは…何ヶ月ぶりだろうか。

話し方さえも忘れかけていた。

「……」

言葉が、出てこない。

「あーうっざ」

ああ。俺はこうして、知らない人にも嫌われていくんだ。

そっち側の…人間になってしまったんだから。仕方がない。