なんで、知っているんだろう?

「ウチと同じだね、明日から一緒に登校だから。」

え?この人、俺なんかと登校したら、
だめだっ、

「駄目です、俺なんかと…」

「朔良だからだ」

は…?

「ーっ」

「おい、そ、そんなに嫌だった?泣くなって、」

露木さんに言われて、やっと気付いた。
俺の頬に、静かに涙が流れていた。

静かに俺の話を聞いてくれた露木さんが、優しくて、人のあたたかさを久しぶりに感じた気がして…俺…

「っ違います…ごめんなさい…」

「あー話ずれー」

住まわせてもらうのに、迷惑をかけて、俺は露木さんにも捨てられてしまうのだろうか。

言葉にできない気持ちが背筋を凍らせた。