「まさか、こんなに小さかった私たちが結婚するなんてね...」
「あの時は、優羽とずっといられるなんて、思ってなかったよ」
「ふふっ、私たち、大きくなったね...」
今日は、エイプリルフール。
「私、伊央くんの優しいとこ、嫌い」
「え」
「かっこよくて、面白いとこ、嫌い」
「...」
「ごめん、うそ。全部、好き!」
「...マジで焦った...」
「これからも、ずっと一緒にいてくれますか?」
「もちろん。離せるわけないだろ」
伊央は、私の額にキスを落とす。
私はまた思い出す。
十年前の、嬉しくて、幸せな...。
エイプリルフールのはかりごとを。