「んーん、なんでもない。さ、日誌出して帰ろっか。もう暗くなってくる頃でしょ?」 幸先輩はそう言って立ち上がると、私の指をパッと離してそう言った。 上手くかわされたような気がしてならないけど…。 「…ですね。帰りましょう!」 “幸先輩に、あまり踏み込んじゃいけない” なんだか、訳もなくそんな気がして。 「デートの件、忘れないでよ?」 「わ、忘れませんよ!」 幸先輩の後ろ姿を、ただ着いて行った。