幸先輩が甘く迫ってくるのですが。

なんで私を呼ぶのか理由も分からないままホイホイ行くのは、ちょっと躊躇われる。



だけど…文面が少し幸先輩っぽくないことが、なんだか気になってしまった。



もしかしたら大事な話なのかもしれない。



放課後、教室に呼ばれて大事な話をされる…そんなシチュエーションが思わず頭に浮かび、慌ててかき消す。



わ、私ったら1人でなに考えてるんだろう?!



そんなことあるはずないのに、恥ずかしすぎる…。



さっきまでそれっぽいなことを考えてたから、勝手にそういう風に捉えちゃったんだろうな。



つい昨日から幸先輩と話す機会が多くなったからって、何があるというわけじゃない。



よし、OKって返事しとこう。



『わかりました。SHRが終わり次第向かいますね!』



もうそろそろ先生の長話にも終わりが見えてきたところで、幸先輩に返信する。



その時ちょうど終業のチャイムが鳴り、先生の話も強制終了となった。



えーっと、明日提出の課題はないから…うん、これで大丈夫なはず。



教科書やらを詰め込んだスクールバッグを片手に、教室を出る。



2年生の教室に続く階段を上がり切ったところを右に曲がった突き当たりの教室が幸先輩のクラス。