焦る必要はないけれど、友達があんなに楽しそうに恋愛をしていたら否応がなしにも考えてしまう。
恋したいな、彼氏欲しいな…って。
さっき怜美にロマンチストって言われたばかりだけれど、だからといって合コンとかで作りたいとは思わないんだよね。
たしかに夢見がちすぎかもだし、少女漫画の読みすぎかもしれない。
でも、自然に出会って、恋に落ちて、惹かれ合い、結ばれる。
そんな、きっとみんなが憧れる恋がしたい。
…なんて、やっぱり無理なのかな。
それこそ現実味に欠けるのかな?
うーん…恋って難しい。
とかそんなことを思っていたら、スカートのポケットに入っているスマホが震えた。
誰からだろうと思ってこっそり机の下で見てみると。
「っ、!」
短く息を飲んだ。
送り主はなんと幸先輩。
『放課後、もし暇だったら教室に来てほしい』
そんな文の下には、クラスと教室の場所が書かれていてる。
…ど、どうしよう。
今日は保健委員の仕事もないし、暇ではある。
でも、要件は“教室に来て欲しい”ってことだけで、細かいことはなんにも書かれてない。



