「桜庭は一人で帰れる?親御さん呼ぼうか?」
う…心が痛い…。
心配そうな顔をして聞いてくれるつっちゃんに罪悪感を感じつつベッドから降りて荷物を取り、ぺこっと頭を下げる。
「だ、大丈夫です…!失礼しました!」
「気をつけて帰んなよー」
つっちゃんの声を背中で聞きながら、逃げるように下駄箱へと向かった。
罪悪感で心がチクチク、なのにさっきのことを思い出すとバクバク暴れ回っちゃって。
『…いいの?あんまり可愛い顔してると、ほんとに食べちゃうよ?…もちろん、そーゆー意味でね』
「っ〜〜!!」
……やっぱり、幸先輩には近づくんじゃなかった。
女たらしとかプレイボーイとか、そんなレベルのものじゃない。
幸先輩は、触るな危険の要注意人物だ。