「ちょっと!なんでついてくるのよ!?」

「誰が。行く方向が同じなら、離れてるほうが不自然じゃん」


4月1日、本日快晴。

長かった春休みも残りわずか。

こんな晴れた日に部屋に閉じこもっていたら勿体ないと思い、出掛けようとしたところ、同じ下宿先のハルキと玄関で一緒になってしまったのだ。


私は、お嬢様学校と呼ばれる女子大に通っているせいもあり、こんなオンボロ下宿で暮らしている友達なんて誰も居ない。

大抵の地方出身の同級生は、セキュリティ万全で、家賃10万ほどするマンションに住んでいるので、友達がうちに遊びに来たいと言い出した時には、

「外部の人を入れちゃダメな学生会館に住んでるの。ごめんね」