その頃、愁夜のグループは、罰ゲームにどハマりしていて。

私たちは、よく巻き込まれてた。



もー、と友達は、笑って許していたから、大丈夫だったけれど。

あかりんだけはむすっとした顔で愁夜をじっと見つめてた、記憶がある。



私と愁夜は、幼馴染。

そんな周知の事実が、私たちをつないでいた。











ある日、もう学年も終了に近いあの日の部活帰り。


教室ではしゃいでいた、愁夜とその友達を見かけた。




「愁夜、帰ろう」

そう、言うために。




「つーことで、愁夜、罰ゲームはゆうに告白で決まり!」

ある人、信太(しんた)という人が、そう大声で叫んだのを、耳にしてしまったのは、その日だった。




「おまっ、ふざけんな!」

怒ってながらも嬉しそうな愁夜が目に飛び込んできて、私は何もできずに物陰から見つめているだけ。


「だって、お題。一生!〜〜〜〜〜ないことだろ?」

コソコソ、信太くんが、愁夜にそう耳打ちする。


「それはそうだけど…」

「じゃあそれに決まりだな!」



パチン、そう手を叩く音が、頭の中を響いた。



…ふふ、なんでだろう。目からお水が。

だって、あふれるしずくは、ただの、さむさから。

そうに決まってる。


あぁでも、

…信太くんは、絶対。



「一生したくないこと」
と言ったんだ。



そうに違いない。

それ以外に何がある?



何もない。