早く来い!なんて思っていた矢先、ナイスタイミングでやって来たエレベーターに飛び乗るようにして乗り込むが、誰も乗っておらず。2人だけのさらに気まずい空間が作り出されてしまった。
一之瀬さんと距離をとるため、ボタンのある隅の方へ体をよせ、一切目が合わないように背中を向ける。
淡々と終わらせよう。淡々と。
そう自分に言い聞かせていた時だった。
「昨日、ちゃんと帰れましたか?」
「……っ!?」
過ぎ去った嵐が再びやってきて急に雷を落としてきたような、そんな不意をつかれて思わず後ろに勢いよく振り返る。
こ、この人、私なんかを覚えてた……?!
「気になってたんですよ。あまりにも辛そうにしてたので」
体温が急上昇する。恥ずかしすぎる。言葉も出ない。
まさか同僚になる人だと分かっていたら、あんな酷い格好見せなかったのに……。
「それに今もなんか…」
心配そうな表情をうかべる彼から咄嗟に顔を隠すように下を向いた。
この人、洞察力と観察力がすごい。
もしかして会社案内して欲しいっていったのは、私が泣いたあとだってわかったから…?



