「うわー、俺真ん中の1番前じゃん!最悪だぜー」 後ろを向いてなげいてくる海人を若干無視しながらも、 新しい席に移動をする。 気持ちのいい風が入ってきて、目をつぶって深呼吸をしていると、 「皐月の前だ!よろしくね」 その声が聞こえて、パッと雫を見だけども、 すぐに座ってはカバンから教科書を取り出している。 「最高じゃんこの席…」 思わずニヤけずにはいられなかった俺は、みんなにバレないように、下を向いてニヤけを誤魔化す。