…………出るの? 部長、自分のデスクに座ったこの状況で?
矢田は口パクで『は・や・く!』と私を急かす。
「…………じゃ、じゃあ私はこれで」
後ずさりながら部署内から出て、会社内の通路を歩く。もう少しで入口の自動ドアの前といったところで、『宇野女!』私の名を呼ぶ部長の声が聞こえた。
振り返ると、焦った顔をしている部長が立っていた。
「俺も急遽有給にしてきたから。この後時間あるだろ」
部長は私に如何わしいことをする気らしい。目がそう言っている。
…………気持ち悪い。
部長に気持ちが残っていない今、欲情した目で見つめられるその表情がとてつもなく気持ち悪い。



