私が私を苦しめていた。



「だから杏花の本当の気持ちを教えてほしいんだ。あの日の告白の返事をちゃんと聞かせてほしい」


「私、は…」



…本当のことを、伝えてもいいのかな?


嘘に振り回されて本当の気持ちを見失っていた私に、玲央と付き合う資格なんてないんじゃないのかな…。



「杏花、もう嘘はつかないで」



ハッと玲央を見上げる。


…そうだ。私はまた同じことを繰り返そうとしていた。


自分の本当の気持ちから逃げるんじゃなくて、ちゃんと向き合わなければいけないんだ。



「…私も、玲央が好き。俺様で意地悪なところもあるけど、誰よりも優しくて真っ直ぐで無邪気に笑う玲央が大好きなの…」