真実を知った杏花は、呆然としたまま立ち尽くしていた。



「…え?てことは、玲央は私のこと本当に…」


「だから、最初から好きだって言ってんだろ。嘘でもなんでもなくて、四月からずっと好きだったんだよ」



杏花が驚いたように大きく目を見開き、涙をポロポロとこぼしていた。



「そんな…っ、私…」



杏花はバカだ。俺がどれほど杏花のことを想い続けてきたのか、どれほど好きなのか知らないんだから。



…だけど、もっとバカなのは俺の方だ。


一人でずっと苦しんでいた杏花に気づいてあげられなかった。


泣かせてしまった。



「杏花」