君の嘘から始まる本当の恋

「…いや、別に俺も今来たとこ。行くぞ」



目が合ったかと思えばすぐに逸らされ、先に歩き出してしまった。



「私服で会うの初めてだよね。シンプルなのにやっぱり玲央は何着ても様になるねー」


「…いや、別に」



最近よく取り入れている褒める作戦は、玲央があからさまに照れるからやっていて効果覿面だと我ながら感じている。



「私のも変じゃない?本当は浴衣とか着てこようとしたんだけどさ、さすがにちょっと張り切りすぎかなって思ってやめたんだ」



玲央に似合わないと言われてからメイクをするのはやめたけど、今日くらいは少しオシャレがしたくてヘアアレンジもナチュラルメイクも頑張ってみた。


服装も派手すぎないように、薄ピンク色のニットに黒のプリーツスカートとシンプルめにしたのだ。



「…まあ、うん」