君の嘘から始まる本当の恋

「…別に」



怒らせちゃったかな。


…いやでも別に玲央だって本当は私のこと好きじゃないんだし、怒ってはないか。



「…少しも俺のこと、好きになってねぇの?」


「え?」



前を向いたまま玲央がポケットに手を突っ込むと、どこかいじけた様子でそう呟いた。



「えっと…」



なんて答えるのが正解なんだろう?


…もしかしたら今、試されているのかもしれない。


私が本気で好きになったその時は、ネタバラシをされてこの関係も終わってしまうのだろうか。