…もしかして、まだ瞬くんのことが気になるのかな?


そうだよね、さっきまで怒ってたわけだし…。



「天峰くんのこと置いて行っちゃってごめんね。体調も悪いのに、私のこと心配して探してくれたんだよね?」



天峰くんが肯定するかのようにぷいっとそっぽを向いてしまった。



「…謝って許してもらえないかもしれないけど、それでも本当にごめんね。だけど瞬くんはただの幼なじみだし、私ってチョロいからたまにときめいちゃったりすることもあるけど、瞬くんとは長くいすぎて兄妹みたいな感じだから好きにはならないよ。…って、そんな心配はしてないか」



危ない。天峰くんは私のことなんてなんとも思っていなかったんだ。


私を見つめる眼差しが熱くて、瞬くんに本気で嫉妬しているように見えちゃったから勘違いしていた。



「…本当は今日、おまえを映画に誘おうと思っていたんだ。た、たまたま、タダ券二枚もらったから…」


「え…そうだったの?」



そういえば瞬くんに拉致られる前に、天峰くんが私に何かを言いかけていたことを思い出す。