「あ、そうだ。杏花、今日ボーリング行こうよ。俺タダ券二枚持ってんだ」


「え?最近付き合ってた二つ年上の大学生の彼女は?」


「あーそれは二週間前に別れて、次に一個下の後輩と付き合ってたけどそれも昨日別れたばっか」



相変わらず瞬くんの彼女はコロコロ変わり、今日も暇つぶしに私は付き合わされるみたいだ。


いつも通り「しょうがないな」と言おうとしたけど、ふと天峰くんのことを思い出す。


お試しとはいえ、一応付き合ってはいるんだから、さすがに二人きりはまずいよなぁ…。



「えっと…ごめん。実は今付き合ってる人がいて、瞬くんと二人きりでは遊びに行けないかな」


「…は?誰が付き合ってるって?」


「え?だから、私が」



瞬くんがぽかーんと間抜けな顔で放心しているところで予鈴が鳴った。