ばっちり目が合ってしまった天峰くんに勢いよく背を向けて、乙葉の腕を掴んで急いで教室を出る。



「杏花ちゃん?どうしたの?」


「あー…このまま天峰くんといると、ちょっとやばいと思ってさ。しばらくは距離置こうかなって」


「…でもさ、それだと杏花ちゃんが天峰くんを落とすって作戦もうまくいかないんじゃない?」



廊下の真ん中で言葉を詰まらせて、思わず止まってしまう。



「そうだけど…でも、天峰くんに負けたくないから。それに引いてみれば案外天峰くんも私を気にするかもしれないでしょ?これは引いてみる作戦だよ」



まだ押してすらもいないけど、細かいことは気にせずに天峰くんを落とすためだったらなんでもする。


私を好きにさせてみせる!





天峰くんを避けまくってから、一週間が経った。